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【連載:ダンチな人々vol.1 小柴さん(後編)】「誰もおきざりにしない」再生まちづくりのビジョンを描く


 

団地にかかわるステキな人に会いに行くインタビュー企画〈ダンチな人びと。〉


前回に引きつづき、団地の管理組合の理事長や自治会長を歴任されている小柴さんに、団地Classic502号室でお話をうかがいました。


前回のお話で、小柴さんは衣食住の中で一番大事だと思っている「住」をもっとよくしていくことが人生を豊かにすることだと思う。そのために自ら理事長になったとおっしゃっていました。(前編はこちらをクリック)

後編では、より具体的な再生まちづくりのビジョンなどをお聞きしました。

 


「何か面白そう」そういう気軽に話せる場が、新しいアイデアを生み出す。そしてそのアイデアを実現させていきたい。

現在、すすき野団地の管理組合では様々な取り組みがスタートしています。挙げたらたくさんあるのですが、今回は2つお話しします。



1つ目は、持ち寄り車座集会です。

団地を「もっとこうしていきたい」、とか「こういうことに困ってる」というのを月に一度、自分の困り事や悩み、はたまた夢や希望・・・そして、自分の飲み食いするものを「もちよって」対話する会です。



今まで団地について思っていることがあっても、話し合う場が1年に1度の総会しかなく、それだと意見を言える場がそこしか無くて紛糾したり、話したい人にとってはイライラしていました。

もっと気軽に、思っていることを忌憚なく話せる場があるといいなと思ったんです。

各々自分の飲んだり食べたりするものは家から持ってきてもらって、気軽に参加できるように工夫しています。


現在、参加するメンバーが固定されていないので、初めて参加する人も意見を言いやすい場になっていると思います。


団地内の掲示板に車座集会の案内が貼ってあります。お見逃しなく★


解決出来そうも無いような問題でも人に話すことで気分が落ち着いたり、自分の話に共感してくれる人がいることで、自分が「孤立」していないと気がつかれた方がいたりと、期待していた効果とは違う結果も生まれています。



また、総会でいつも管理組合に対して厳しい意見をされる方がお見えになって、話すと意外と同じ方向むいていて意見が一致したり、それ以降私の応援をしてくれたり、やはり「対話」と「会話」は本当に必要だと感じました。




団地の掲示板に集会の案内が貼ってあります。

車座集会の時に、後でお話しするライトアップの試験などイベント的なことも取り入れて、いろんな人が「何か面白そう」と参加してくれたらいいなと思っています。

そういう気軽に話せる場から、新しいアイデアが次々と浮かび、アイデアを実現させていく。実現すると楽しいから、もっと意見を言う。そういう場にしていきたいですね。






2つ目は、植栽管理業者の変更です。


これまで長い期間、同じ管理会社にお願いしていましたが、思い切って別の会社に変更しました。色んな会社にお話を伺った中で、若くて意欲のある人がたくさん働いている東邦レオさんにお願いすることに決めました。


実は、東邦レオさんは段階的に植栽管理費を下げる提案をしてくれたんです。これには正直言って驚きました。

普通、企業は自分たちの利益である管理費を下げる提案を自らする、なんてことしないですよね(笑)。



それが、東邦レオさんは、今の景観を損ねず、植栽が重なり合っているところは間引くなど、少しずつ木を減らしていこう。管理にかけるお金を少しずつ減らして、違うところにお金をかけた方がいいと提案してくれたんです。


現在、植栽管理にかける費用を減らして、その代わり「散歩したくなる団地」に変えていこうと取り組みをはじめていきます。

 


そして、東邦レオさんは植栽管理の会社なのに、すすき野団地の夜はどうなっているだろう?とわざわざうちの団地まで夜に足を運んでくれたそうです。


団地を夜歩いてみると、かなり暗いんです。それを眠るのに支障がない程度の明るさで照らして、団地を明るく楽しいイメージにしたいって提案もしてくれました。


今年の8月25日(2018年8/8現在の予定)に車座集会を行う予定なのですが、その時にライトアップの実験をやろうと思っています。


ぜひ皆さんにぜひ見に来ていただいて、色んな意見を言ってほしいですね。







住んでいる方(人財)、整備された住環境、利便性…  すすき野団地のポテンシャルは高い。それをどう活かしていけるかを常に考えています。

すすき野団地でやりたいことは、まだまだいっぱいあります。

たとえば、素晴らしい人財を活かして、お困りごとを助け合うシステムを作るとか、カーシェアリングをしてみたいとか、草刈りの代わりにヤギを飼ってみたらどうかとか、管理組合を法人化してみたらどうかとか…。



でも、常に考えているのは、すすき野団地の素晴らしい人財、整備された環境、利便性、この高いポテンシャルをどのように活用して、住んでいて楽しい、誇れる団地にしていくかです。

そのために、他の団地での取り組みを調査しに、千葉の団地に出向いたり、研修に出たり、たくさんやることはあります。


これからも、自分が活動していて楽しいなと思うことを大切に、活動していきたいですね。







ー団地について語りだすと、団地好きゆえについつい喋りすぎちゃうんだとか(笑)。でも、団地について生き生きと語る小柴さん。お話を聞いているこちらまで楽しく嬉しくなってしまいました。ぜひまたお話を伺いたいです! 



 



村上亜希枝(むらかみ・あきえ)/ライター

団地を愛する宅地建物取引士。多摩ニュータウンの不動産会社でお客様に団地を薦めているうちに、自身がすっかり団地好きに。現在は「 団地に住みたい人を、増やしたい!」を軸に、主に昭和期に建てられた団地の活性化に日々取り組む。趣味は団地巡り、山登り、アクセサリー作り。アキヱ企画代表。団地女子会メンバー。




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