先日、とっても貴重な体験をしてきました。
団地のバルコニーに「非常時はここを破ってください」と書かれている、隣の家のバルコニーと自分の家を仕切る「隔て板」(蹴破り戸ともいいます)の蹴破り体験ができるというのです!
前から気になっていたんです。不動産屋としてお部屋の案内している時に、たまにお客さんに隔て板について質問されるのですが、「蹴って破るらしい」くらいのことしか言えず、「あの板って非常時に本当に破れるのかな?」って。
そして、避難の際に破らなきゃいけないのに、あんまり蹴破る訓練をしているって聞かないなと。ずっと実体験を元に言えたらいいなと思っておりました。
蹴破り体験写真解説
蹴破り体験をしているところを写真で撮ってもらいましたので、ご覧ください。
蹴る前に、どのくらいの硬さなのか、拳で叩いてみると…思ったより硬いです。
今回蹴った隔て板は「ケイカル板」でできているとのこと。
蹴るときのポイントを聞きます。
つま先だとケガをしやすいので、足の裏で押して蹴ると良いそうです。
力いっぱい蹴ってみましたが、ぜんぜん割れません。
ちなみに、私は登山が趣味なので、そんなにヤワな脚力ではないと思います。
また、当日は蹴破りしやすいようにトレッキングシューズを履いていきました。
担当の方にコツを伝授されました。
なんと、コツは意外にも踵で蹴ることだそうです。
言われた通りに、回し蹴りのように踵で押すように蹴ってみたら割れました!
しかし、更に蹴り続けますが、なかなか蹴破れません・・・
なかなか蹴破れないため、手で引っ張るように剥がすといいよとアドバイスを受けました。やってみると、大きな穴が開きました!
ちなみに、素手では割れた板でケガをしてしまいそうなので、軍手があるといいなと思いました。
せっかくなので、フライパンでも叩いてみました。
色々な角度に持ち替えて叩いてみますが、なかなか穴が大きくなりません。
しまいには、フライパンが曲がってきてしまいました。
フライパンを最初の一撃にするのは難しいと感じました。
埒が明かないので、また蹴ることにしたら、大きな穴が開きました!
これで何とか脱出できそうです!!
隔て板の破り方のまとめ
☆靴を履いて後ろ向きに踵で蹴る
☆トンカチやスパナなどの硬い工具で叩き、穴を開けた後に蹴破るか、手で引っ張って剥がす。
上記のどちらか、もしくは併用がいいと思いました。
バルコニーには、蹴破り用に踵のある靴か、トンカチなどの硬いもの、軍手を置いておくといいなと思いました。
体感では、プランター用の小さいシャベルでは穴が開かないと思いました。
蹴破り体験をして、思ったこと。
思ったより、ずっと硬かったです。
団地のバルコニーに設置されている戸板が、経年劣化でもう少し蹴破りしやすくなっていていてほしいと思ったのが率直な感想です。
40代で比較的健脚な私でこれだけ苦戦したのですから、ご高齢の方や子どもが非常時に初めて蹴破るのはかなり難しいのではないでしょうか。
一度体験をすれば、蹴破りの難しさも感じられ、対策も練られると思います。皆さんの団地でも、ぜひ団地の防災イベントに蹴破り訓練を入れることをお勧めしたいと思いました。
村上亜希枝(むらかみ・あきえ)/ライター
団地を愛する宅地建物取引士。多摩ニュータウンの不動産会社でお客様に団地を薦めているうちに、自身がすっかり団地好きに。現在は「 団地に住みたい人を、増やしたい!」を軸に、主に昭和期に建てられた団地の活性化に日々取り組む。趣味は団地巡り、山登り、アクセサリー作り。アキヱ企画代表。
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